この記事の内容
飲食店の会員プログラムで達成すべきこと
飲食店のリピーターを増やす会員プログラムは、料理を無料で配るためのものではありません。目的は次の3つです。
- 初めてのお客様に2回目も来てもらう。 これがいちばん難しいハードルです。
- 家賃も人件費もかかる暇な曜日・時間帯の席を埋める。
- ドリンク、デザート、予約、宴会など利益率の高い商品で客単価を上げる。
居酒屋やバーも、規模が小さいだけで同じ理屈です。客単価は小さく、来店頻度は高く、暇な時間帯がある。以下のアイデアはどちらにも使えます。どちらか向きのものは、その都度書いています。
始める前にルールをひとつ。特典はメニュー価格ではなく原価で計算すること。5.50ユーロのデザートの原価は1.50ユーロかもしれません。この差が、プログラムが儲かるかどうかを分けます。
※金額の例はユーロです。ご自分のお店の価格と原価で計算し直してください。
飲食店・居酒屋のための12のアイデア
1. 次回使えるキャッシュバック
仕組み: 会計のたびに、利用額の一定割合がお店で使える残高としてカードに入ります。残高はスマホで見えるので、「お店に何かが待っている」と思い出してもらえます。
コスト(例): キャッシュバック5%なら、60ユーロのディナーで3ユーロの残高。コストがかかるのは戻ってきたときだけで、戻ってきたときには3ユーロ以上使ってくれます。
測り方: 発行した残高と使われた残高、次の来店までの日数。
2. ランチ定食10回で1回無料
仕組み: ランチ定食専用のスタンプカード。10回で11回目が無料。平日に外でランチをとる会社員向けです。
コスト(例): 定食14ユーロ、食材原価約5ユーロ。10回ごとに1回無料は販売価格の約9%、実際の原価では140ユーロの売上ごとに5ユーロです。
測り方: カードを使っているランチ客の数と、週あたりのスタンプ数。
3. ランク付きの利用額ポイント
仕組み: 1ユーロで1ポイント、200ポイントで15ユーロ割引。ランクを付けることもでき、年間の利用額が一定を超えたら「常連」ランクに上がり、来店のたびにデザートや食後酒をサービス。
コスト: この例では後払いで7.5%。ランク特典はすでにたくさん使ってくれた人だけが受け取ります。
測り方: ランクごとの人数と、ランクごとの平均利用額。
4. 誕生日のデザートやボトル
仕組み: 誕生日の数日前に自動のお知らせ(Pro・Cadena)。「今月のお誕生日はぜひ当店で。テーブルの皆さまのデザートをサービスします」。
コスト(例): 4人で120ユーロ使うテーブルに、原価1.50ユーロのデザート4つで6ユーロ。
測り方: カード会員の誕生日予約数と、そのテーブルの利用額。
5. 暇な曜日の予約
仕組み: 火曜の夜はいつも半分空いている。月曜にお知らせ:「明日火曜のディナーは、カード提示で残高2倍」。ロック画面に届きます。
コスト: その日だけの追加キャッシュバックで、しかも本来空いているはずの席に対してです。Localプランの通知は月4回なので、いちばん暇な夜に使いましょう。
測り方: その日の客数と、直前4週間の平均との比較。
6. 昼どきの近隣通知
仕組み: お店の近くを通ったとき、ロック画面にカードが表示されます(「本日のランチは鯖の味噌煮です」)。ウォレットの位置情報を使い、Pro・Cadenaで利用できます。
コスト: 直接のコストはなし。
測り方: 有効化の前後で、カード会員へのランチ販売数を比較。
7. 飲食店のギフトカード
仕組み: 残高付き、チャージ可能、有効期限は任意のカード。クリスマス、バレンタイン、母の日、取引先への贈り物に。代金はお店のレジで受け取り、スマホで残高をチャージします。アイデアは個人店のギフトカード活用ガイドに。有効期限などは関連する法律や規制を確認しましょう。
コスト: ゼロ。前払いの売上です。受け取る人の多くは、まだあなたのお店を知らない人です。
測り方: キャンペーンごとの販売額と、受け取った人のうち自分のお金で再来店した人数。
8. ワイン・日本酒の会
仕組み: 月額のサブスク。毎月おすすめのボトル1本(持ち帰りでも店内でも)と、3か月に1回の試飲会。お客様はカードで利用状況を確認でき、代金はお店のレジで受け取るので手数料なし。価格の決め方は店舗のサブスク・会員制の始め方で。
コスト(例): 仕入れ9ユーロ、メニュー価格22ユーロのボトル。月20ユーロの会費なら利益が残り、安定した収入と、受け取りに来てくれるお客様が手に入ります。
測り方: 有効な会員数、退会数、受け取りの来店時の追加注文額。
9. 居酒屋・バー:生ビールかコーヒー10杯目
仕組み: 生ビールやコーヒーのスタンプカード。10杯で次の1杯無料。毎日のように来る常連がいる地域のお店向けです。
コスト(例): 生ビール2.50ユーロ、原価約0.60ユーロ。10杯ごとに1杯なら、25ユーロの売上ごとに0.60ユーロ分の商品です。
測り方: アクティブなお客様1人あたりの週の注文杯数。
10. 居酒屋・バー:ハッピーアワー通知
仕組み: 17時にお知らせ:「19時まで、カード提示でおつまみ2品目半額」。ランチとディナーの間の時間帯向けです。
コスト: 今はほぼ空いている時間帯だけの割引です。
測り方: お知らせした日としなかった日の、その時間帯の売上比較。
11. 2回目の来店を確実に
仕組み: 登録すると自動でウェルカムメッセージ(Pro・Cadena)が届き、30日以内の次回来店で使える特典(前菜1品やコーヒー人数分)が付きます。
コスト(例): 原価2ユーロの前菜。戻ってきた場合だけです。
測り方: 登録者のうち30日以内に戻ってきた割合。プログラム全体でいちばん重要な数字です。
12. お久しぶりです
仕組み: 毎週来ていたお客様が30日来ていなければ、戻る理由を添えた自動のお知らせを。
コスト: 提供する特典分だけ。戻ってきた人にだけかかります。
測り方: お知らせを受け取ったお客様の、その後14日以内の来店数。
まとめ表:アイデア、カード、コスト
| アイデア | カードの種類 | コストの例 | 目的 |
|---|---|---|---|
| キャッシュバック | キャッシュバック | 残高5% | 再来店 |
| ランチ10回 | スタンプ | 販売価格の約9% | 会社員のランチ客 |
| ポイントとランク | ランク付きポイント | 後払いで7.5% | 優良客への還元 |
| 誕生日 | 何でも+自動配信 | テーブルのデザート | お祝い |
| 暇な曜日 | キャッシュバック+プッシュ | 1日だけ残高2倍 | 席を埋める |
| 近隣通知 | 何でも | 0 | 昼どき |
| ギフトカード | ギフトカード | 0 | 新規客 |
| ワイン・日本酒の会 | サブスク | ボトルの利益 | 安定収入 |
| 10杯目 | スタンプ | 10杯ごとに1杯 | 地域の居酒屋・バー |
| ハッピーアワー | 何でも+プッシュ | 暇な時間帯の割引 | 夕方 |
| 2回目の来店 | 何でも+自動配信 | 前菜1品 | リピート |
| お久しぶりです | 何でも+自動配信 | 戻ったときだけ | 呼び戻し |
キャッシュバック、ポイント、スタンプで迷ったら、ポイント・スタンプ・キャッシュバックの違いを例つきで比較しています。
お客様を混乱させないカードの組み合わせ方
飲食店には、平日の常連と週末のお客様という2つの層がいるのが普通です。Stampazでは同じお店で複数のカードを同時に使えます(Localで2枚、Proで10枚)。無理のない組み合わせ:
- メインのカード: 全員向けのキャッシュバックか利用額ポイント。
- 2枚目のカード: ランチのスタンプかワイン・日本酒の会。希望する人だけ。
最初から3枚以上は混乱のもと。スタッフが慣れたら、年末に向けてギフトカードを追加しましょう。
ホールでのスタッフの動き
カードを案内するタイミングは、席に着いたときではなく、伝票を持っていくときです。
- 伝票の横にQRのポスター(POP)を添えて:「こちらを読み取ると、今日のお食事からポイントが付きます。」
- 会計時に、店内のどのスマホでもお客様のカードを読み取る。アカウントもアプリも不要で、二重読み取り防止付き。
- カウンターなら、ビールサーバーやコーヒーマシンの横にポスターを。
お客様は数秒でApple WalletやGoogleウォレットにカードを保存できます。どちらも使わない方にはWebカードがあります。
毎月見るべき数字
- 新規登録数と、そのうち30日以内に戻ってきた人数。
- アクティブなお客様1人あたりの月の来店回数。
- カード会員と非会員の平均客単価。
- 原価ベースの特典コスト: 使われた残高、無料にした定食、デザート。
- お知らせを送った週の暇な曜日の稼働率。
データは全プランでCSV書き出しができるので、シンプルな表計算で管理できます。
高くつく失敗
- 原価を見ずにメニュー価格で割引する。 全品15%オフは、ドリンクの利益を食いつぶすことがあります。
- ピーク時だけ使える特典。 必要なら土曜の夜は対象外にし、そのことをはっきり伝えましょう。
- 理由のないお知らせ。 毎回、具体的な中身を。特典、新メニュー、イベント。
- たまった分を無視してルールを変える。 お客様の残高とポイントは、必ず引き継ぎましょう。
今週から始めましょう
Stampazなら、テンプレートを選び、ロゴとお店の写真をアップロードし、ルールと特典を決めて、ポスターを印刷するだけ。約5分で、手数料もなく、お客様にアプリのダウンロードをお願いする必要もありません。
例とテンプレートは飲食店向けのポイントカードページとバー・居酒屋向けのページにあります。料金や機能の全体はトップページでご覧ください。
よくある質問
客単価がばらつくなら、キャッシュバックや利用額ポイントがいちばん公平です。価格が決まっているランチ定食なら、スタンプカードのほうが説明しやすいです。
販売価格ではなく利益率をもとに計算しましょう。次回使える残高として5%は慎重な例です。お客様がその恩恵を受けるのは、また来てくれたときだけです。
当日か前日に、カードを持つお客様へその日限定の特典付きのお知らせを送ります。お知らせなしの週と比べて、その日の客数を測りましょう。
できます。Stampazでは、ギフトカードの代金はお店のレジで受け取り、スマホで残高をチャージします。Stampazは決済を扱わないため、販売ごとの手数料はかかりません。
基本は同じですが、居酒屋やバーは客単価が小さく来店頻度が高めです。ドリンクのスタンプや、空いている時間帯のお知らせがより効果的です。