この記事の内容
お店をやっていれば、リピーターを増やす方法は理屈ではわかっているはずです。丁寧に接客し、良い商品を出し、顔を覚える。問題は、それがあなたの記憶力と調子のいい日に左右されることです。このガイドでは、その感覚を仕組みに変えます。戻ってくるお客様がどれだけの価値を生むかの計算、戻ってきているかの測り方、12の具体的な施策、そして実行するための30日プランです。
戻ってくるお客様の価値が高い理由(計算つき)
新しいお客様を呼ぶにはコストがかかります。広告、初回割引、メニューを説明する時間。常連のお客様は欲しいものがわかっていて、注文も早く、頼まなくても誰かに紹介してくれます。
簡単な数字で違いを見てみましょう。
例: 平均客単価4ユーロのカフェ。
- 1回だけ来るお客様:4ユーロ。
- 1年間(実働約45週)、週2回来るお客様:2 × 45 × 4ユーロ=360ユーロ。
- 会員プログラムのおかげで、そのお客様が月にもう1回だけ多く来るようになったら(年約11回):11 × 4ユーロ=1人あたり年44ユーロの上乗せ。
44ユーロを常連100人に掛ければ、新しいお客様を1人も呼ばずに年4,400ユーロです。これは約束ではなく、あなた自身の数字でやるべき計算の例です。大事なのは考え方。すでにお店を知っている人の来店頻度が少し上がるだけで、大きな差になります。
リピート率を測る
測れないものは改善できません。リピート率が答えてくれるのは、今月来た人のうち、以前にも来ていた人、あるいは翌月も来る人は何人か、という問いです。
計算式
例: 30日間で400人のお客様が来て、そのうち120人が2回以上来た。リピート率は120 ÷ 400 × 100=30%。翌月、このガイドの施策を2つ試し、同じ方法でもう一度測ります。
データの集め方
- 紙のカードの場合: 推測しかできません(押したスタンプの数と交換されたカードの数を数える)。傾向はわかりますが、詳細はわかりません。紙のスタンプカードのデジタル化で説明しています。
- POSレジの場合: キャッシュレス決済の履歴をまとめられるレジもありますが、誰が誰かまではわかりません。
- デジタルの会員カードの場合: スタンプはすべてカードに紐づくので、お客様ごとの来店回数、戻るまでの日数、しばらく来ていない人がわかります。
期間を決め(30日がおすすめ)、毎回同じ方法で記録しましょう。正確な数字より傾向が大事です。
お客様に戻ってきてもらう12の施策
基本的なものから応用まで順に並べています。12個を一度にやらず、3つ選んで測りましょう。
1. 戻ってこない原因を取り除く
特典を出す前に、障害を取り除きます。長い待ち時間、わかりにくい営業時間、品質のばらつき。信頼できるお客様3人に、何を改善してほしいか聞いてみましょう。タダでできて、たいていいちばん効きます。
2. 名前といつもの注文を覚える
「いつものでいいですか、佐藤さん?」は、どんな割引よりもお客様をつなぎとめます。スタッフがいるなら、特に大切なお客様のいつもの注文をノート(またはお客様情報)にメモしておきましょう。
3. シンプルな会員プログラムを始める
一文で伝わるルールに。「コーヒー9杯で10杯目無料」。スタンプ、ポイント、キャッシュバックで迷ったらポイント・スタンプ・キャッシュバックの違いを。作ったことがなければ、デジタルスタンプカードの作り方が手順を案内します。
4. 1回目の来店を2回目につなげる
初めてのお客様は、いちばん離れやすいお客様です。すぐに戻ってくる理由を渡しましょう。登録時のスタンプ1個プレゼントや、同じ週にまた来たらスタンプ2倍など。
5. 特典を近くに置く
20個のスタンプカードはやる気をなくさせます。手が届きそうな特典(来店頻度の高いお店なら8〜10回)なら関心が続きます。単価の高い商品なら、スタンプではなく利用額ポイントを。
6. 宣伝ではなく役に立つお知らせ
ロック画面への通知は、中身があれば効きます。「本日、焼きたてのシュトーレンがあります」「無料のコーヒーまであとスタンプ1個です」。ありきたりなメッセージは避け、少なく、理由があるときだけ。
7. 誕生日
誕生日の贈り物は、お客様が本当に喜んでくれる数少ない販促です。コーヒー1杯、デザート1品、その週に使える割引。登録時に誕生日を聞き、送信を自動化しましょう。
8. 離れたお客様を呼び戻す
自分のお店での「離脱」を定義します。カフェなら3週間来ない、理容室なら6〜8週間。その線を越えたら、小さな特典を添えた「お久しぶりです」のメッセージを。送るのは一度だけ。
9. 暇な曜日は特典を上乗せ
火曜が空いているなら、火曜はスタンプ2倍。すでに満席の時間に特典を出すのではなく、需要を分散させます。
10. 「クラブ」の感覚をつくる
サブスク(「月〇ユーロで1日1杯コーヒー」)や特典付きの会員制は、常連を「会員」に変えます。詳しくは店舗のサブスク・会員制の始め方で。
11. ファンに口コミを頼む
カードを満了したお客様は満足しています。口コミを頼むならこのタイミング。口コミが増えれば新しいお客様が来て、上の仕組みで常連になっていきます。
12. ギフトカード
お客様があなたのお店を誰かに贈るとき、信頼を持って来てくれる新しいお客様を連れてきてくれます。クリスマスや母の日などに向けてギフトカードを用意しましょう。ガイドは個人店のギフトカード活用ガイドです。
業種別のおすすめ施策
| 業種 | 一般的な来店頻度 | 優先したい施策 |
|---|---|---|
| カフェ | 週に数回 | スタンプ、空いている時間のスタンプ2倍、コーヒーのサブスク |
| 理容室・美容室 | 3〜6週間ごと | カットのリマインド、サブスク、呼び戻し |
| パン屋 | ほぼ毎日 | 利用額ポイント、焼き上がり通知、誕生日 |
| 飲食店 | 週1回〜月1回 | キャッシュバック、誕生日、暇な曜日 |
| ジム | 週に数回 | 会員制、やる気を上げるお知らせ、紹介 |
| 小売店 | 月1回や季節ごと | ランク付きポイント、ギフトカード、新商品 |
リピートを増やす30日プラン
日々の営業を止めずに、小さなお店でも実行できる現実的なプランです。
1週目:土台づくり
- 現在のリピート率を出す(おおよそでも可)。
- 具体的な障害を1つ取り除く(施策1)。
- プログラムのルールと特典を決め、コストを計算する。
2週目:スタート
- カードを作り、QRコードのポスターをレジ横に置く。
- スタッフ用のひと言を決める。「カード作りますか?ここを読み取ると最初のスタンプはプレゼントです。」
- 7日間、例外なく全員に案内する。
3週目:動かす
- カードを持つお客様に最初の役立つお知らせを送る。
- 誕生日メッセージを有効にする。
- いちばん暇な曜日にスタンプ2倍を試す。
4週目:測って調整する
- 同じ方法でリピート率をもう一度計算する。
- スタンプが2個以上あるカードの数を確認する。すでに戻ってきたお客様です。
- 続ける施策、変える施策、翌月追加する施策を決める。
お客様が戻ってこなくなる失敗
- 届かない特典。 誰も満了しないなら、プログラムは存在しないのと同じです。
- カードを案内しない。 ポスターだけでは不十分。スタッフがレジで伝える必要があります。
- お知らせの送りすぎ。 理由のないメッセージは、1通ごとにマイナスです。
- 常時割引。 利益が減るうえに習慣は生まれません。繰り返しに報いるほうが効果的です。
- 測らない。 リピート率がなければ、何が効いているかわかりません。
Stampazでできること
Stampazは、お客様がアプリのダウンロードなしでApple WalletやGoogleウォレットに保存できる会員カードを作ります(どちらも使わない方にはWebカード)。登録はポスターのQRコードを読み取って数秒。6種類のカード(スタンプ、ポイント、ランク別割引、キャッシュバック、ギフトカード、サブスク)、どのスマホでも使えるスタッフ用スキャナー、ロック画面へのお知らせ、そしてPro・Cadenaプランでは誕生日、ウェルカム、「お久しぶりです」の自動配信があります。料金は月29ユーロから、契約期間の縛りなしです。
よくある質問
2回目の来店に集中することです。初めてのお客様に、数日以内にまた来る具体的な理由(スタンプのおまけや次回の小さな特典)を渡し、お知らせで思い出してもらいましょう。
お客様一人ひとりを簡単に識別できる仕組みが必要です。デジタルの会員カードなら、一定期間に2回以上来た人数がわかります。紙では推測しかできません。
増えません。プログラムは習慣に報いるものですが、悪い接客を直すことはできません。まず商品、接客、スピードを整え、そのうえでプログラムを使って習慣を後押ししましょう。
少なく、理由があるときだけ。地域のお店なら月に1〜2回の役立つお知らせで十分なことが多いです。それ以上はうるさく感じられ、カードをスマホから削除されてしまいます。
来店がない期間を把握し、期限のある特典や新商品など、戻ってくる理由を添えた個別のメッセージを送ります。送るのは一度だけ。しつこくしないことです。